写真は何を切り取ろうとしているのか

f0079720_22555488.jpg いや、いきなり初めての文章が「写真論」なので恐縮です。で、タイトルの通りなのですが・・・

 写真は「引き算の芸術」といわれて久しいですね。このあたりは恐らく一致するところだと思います。じゃあ、引き算はどうやってするのかということになりますね。で、少しこれについて考えてみました。

 まず、フレーミングによる切り取り方。ある一部分を切り取ることにより、フレームからはみ出した部分を「引き算」するわけです。で、アプローチとしては2種類あるように思います。一つはフレームされたものを強調するというやり方。これで「フォトグラファーは何を強調したいのか」ということを明らかにしていく方法ですね。そしてもう一つはフレームの中の被写体をフレームの外の被写体のヒントとするやり方。ミステリー映画で言うと後者は犯行現場の写真、前者は容疑者の指名手配の写真ということころでしょうか(笑)。ま、いいフレーミングはこの両者をかねそろえていますね。

 さて、コニカミノルタ好きの方は、やはりボケ味というところもそうでしょう。ピンのあった部分の正確な描写となだらかにアウトフォーカスしていくボケ味。ピンのあった部分を強調するのにボケは綺麗でないといけませんね(笑)。これもアウトフォーカスの部分を想像させたり、ピンのきている部分を強調したりしています。

 それから、焦点距離による画角も見逃せません。僕は望遠系が好きなのですが、実はこれ人間の視野より狭いんですね。そうすると自ずと引き算する(切り取る)作業が出てきて作品を作りやすいんです。まあ、圧縮効果も好きなんですけどね。そういう意味では広角系は苦手なんです。広い画角で写りこむのでよっぽど強調するものに寄らないと散漫な写真になってしまう。かつ、被写界深度が深いのでピンの来る部分が多いためアウトフォーカスで強調する手法が難しくなるという気がします。

 でも、写真が最も引き算しているのは何かというとじつはそんなもんじゃない気がします(笑)。上で書いたのはどれも視覚領域での話しですが、決定的に写真で人間の近くから引き算を行っているのは「時間」だと思います。ある一瞬(正確にはシャッターボタンを押したコンマ数秒後の未来)を写しとめる事ができるのが写真であり、人間の知覚から時間の成分を「引き算」したのが写真ではないかなと思います。

 で、結局何がいいたいかというと、僕が光の跡に興味を持ったのはきっと写真の中に時間が(数秒なんですが)写しこまれている感じがいいのかな、というところかなとふと思いました。同じような系列に、天体の長時間バルブ撮影って言うのもありますね。勿論、偶然が描く色彩っていうのはお絵かきソフトでは得られない繊細さと写実性を持っているように思います。が、もっとも時間を凍結するという写真的技法に反抗する写真ではないかという気がしてなりません。カウンターカルチャー的な面白さって、いくつになっても好きなんです、私(笑)。
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by ttx2ttx | 2006-05-01 22:57 |
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